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我々が暮らす日常の中には、様々な効果を狙ったものがちりばめられており、実は気づかぬうちにマインドコントロールされていることが多いのです。
たくさん注文してしまうのは、レストランの太った店員のせい!?
アメリカとドイツが共同研究で、60店舗、2000人以上のお客さんを対象に「店員のBMIとお客の注文内容の関係」を調査しました。
太っている店員が注文をとる場合と、痩せている店員が注文をとる場合では、太っている店員の方が注文が増加するという結果になりました。
さらには、アルコールを注文する確率が17%も上がり、スイーツを頼む量も4倍になりました。
人は視覚で無意識に影響され、多く注文してしまうのです。
拒食症のような状態の時に、家族にたくさん食べてもらうという心理療法もあります。視覚によって食欲は変わるのです。
マインドコントロールされるのは、人間と高等霊長類特有の行動です。人間は、他人の行動を見て真似する性質があります。見たものと同じような行動を、無意識に脳に刷り込んでしまう傾向があるのです。共感の能力が高すぎるということです。
赤い色を使うと食欲が落ちます。
食欲が落ちるというよりも、食欲が満たされないので、いつもより多く食べてしまいます。食べても食べても食欲が満たされないという感じに。いつまでもいてほしい場合は赤、早く帰したい場合には青を使うと。
コンビニ700円以上くじには理由がある!?
流通的に言うと、マインドコントロールは企業戦略・企業努力です。コンビニの700円以上買うとくじが引けるキャンペーンは、何故700円以上なのでしょうか?
コンビニで、客が1回で買う金額の平均は610円です。
「もう1品買ったら700円以上になってくじを引ける」となるので、客単価を上げて売り上げを伸ばそうとする戦略なのです。
さらに仕掛けを上手くやっている店があります。レジに、おはぎや大福などの甘い物を置いておくのです。甘い物は、メタボを気にして我慢してしまうのですが、レジに置いてあって「700円以上でくじ」という甘い誘いでついつい買ってしまうのです。
甘い物と700円くじはすごく相性が良いのです。
ポイントカードに初めからスタンプを3個押してたら、お客さんはリピーターになります。
「何も押していない」とか「1つしか押してない」ポイントカードは、すぐ捨てられる可能性があります。最初に多めに押すことで、ゴールに近いことを意識させるのです。ゴールが近づくと頑張ろうという気になり、また来店してリピーターになるのです。
お盆玉という商品で新しい仕掛けが!?
「お盆玉」という商品があります。それは、おじいちゃんとおばあちゃんがお盆に孫に渡すもの。6月頃からお盆玉袋の販売が開始され、8月15日に売り上げがピークになります。孫がそろそろ帰りそうな時期が8月15日なのです。
さらには、偶数月の15日は年金支給日であることから、8月15日にお金を下ろして渡すのです。
人口減のあおりから、ハロウィン・バレンタイン・恵方巻きなどの新しい企画を打ち上げないと、小売業が成り立たないのです。
並んでいる商品は、一番右が売れる!?
2,000人の女性を対象に、全く同じ材質の商品を並べて選ばせる実験をしました。
その結果、約40%の女性が「一番右にあるものが一番良い」と言って、一番右にあるものを選びました。
左を選んだ人は5%に満たなかったといいます。
本を読むときに、左から右へ読み進めます。なので、左から見て、比べて比べて、「これ可愛い」となるのです。
店側が「売り出したいモノ」「処分したいモノ」を、一番右に置けば良いということになります。
右側は右利きだと取りやすいので、売りたい商品を置くのだそうです。また、高さで言えば「135cm」の棚は最も見やすいので、売りたい商品を置きます。冷蔵庫は右手で開くため、左手で取りやすい位置に置きます。全てが戦略的に組み込まれているのです。
凝った書体で長いメニューは美味しそうに感じる!?
凝った書体で長い説明のメニューの方が美味しそうに感じます。
トマトのカットに「トマト864円」と書いてあったら高いと感じますが、
凝った書体で「熊本産 本日の朝採り、杉本農園の美味しい有機トマト」と添え書きがあれば高く感じません。
凝った書体で長いメニューであればあるほど、シェフのこだわりを感じやすいというのです。
蒸しエビのマヨ風味 2,700円が
「天使のエビのマリア―ジュ 地鶏卵のホイップ&サワークリームソース和え」と書いてあると、高いとは感じなくなります。
「他に頼る人がいない」で、男はコントロールされる!?
男性をマインドコントロールかけるには、「他に頼る人がいない」とか、「僕じゃなきゃ救えない」という状況に持ち込むことです。「弟が医学部に通うから学費が必要」と言われてお金を出してしまいます。自分が頼られている状況に、男性はくすぐられる傾向があります。
よくあるのは、「実家が貧しいので仕送りしたい」「芸術の道に進むので楽器代が欲しい」「バイトが出来ないから生活費が欲しい」などが、夜のお店で仕事をする女性が使うセリフです。
「女性に上手く騙されてお金を貢いだが、全部ウソだったので取り返したい」という男性の相談が多いそうです。
曖昧な言い方のほうが、相手を動かすことができる!?
相手の心に入り込むのに一番良いのは「中立的な善意の第三者」になるということです。押しを強くすると引かれてしまいます。むしろ、「曖昧な言い方」「断定を避けた言い方」のほうが、相手を動かすことができます。
「君は僕の事を好きになるよ」と言ってもダメです。「これから先、何か起きるかもわからないね」というほうが心が動かされます。
(了)
[出典:2016年8月17日ホンマでっか!?TV]